はじめに
「手術が決まった」「通院や服薬が長く続きそう」
治療が続くと、医療費の負担が気になりますよね。
「子ども医療費助成があるから関係ない」と思われがちですが、自立支援医療は対象になる治療なら、大人になっても医療費の自己負担を原則1割にできます。
また、障害者手帳がなくても利用できる場合があります。
この記事では、自立支援医療の3つの種類(育成医療・精神通院医療・更生医療)の違いと、自己負担の仕組み、申請の流れを順番に説明します。
自立支援医療とは
対象の治療や通院にかかる医療費が、原則1割負担になる公費の制度です。
手術や継続的な通院で医療費が大きくなるときに利用します。
主に次の3つがあります。
育成医療
対象:18歳未満で、身体障害を軽くしたり改善したりするための手術や治療
対象疾患の例:心臓の手術、口唇口蓋裂、腎臓・尿路の治療、肢体不自由の手術やリハビリなど
手帳:なくても申請できる
精神通院医療
対象:精神科・児童精神科などへの通院や服薬が続くとき(発達障害・てんかんを含む)
年齢:制限なし
手帳:なくても申請できる
更生医療
対象:18歳以上で身体障害者手帳を持つ人が、障害を軽くするための治療やリハビリを受けるとき
対象疾患の例:人工透析、心臓の手術、人工関節、肢体不自由のリハビリなど
手帳:身体障害者手帳が対象
対象になる医療と使える場所
対象になるのは、申請した障害や疾患の治療に関わる医療費です。
診察・投薬・デイケア・訪問看護などが含まれます。
一方で、風邪やケガの治療、差額ベッド代などは対象外です。
また、自立支援医療が使えるのは、あらかじめ申請した医療機関や薬局です。
通院先を変更するときは手続きが必要になります。
子ども医療費助成があっても申請した方がいい?
子ども医療費助成で窓口負担が無料・少額の家庭でも、自立支援医療を申請しておく意味があります。
- 多くの自治体では、公費(自立支援医療など)を先に使い、残りを子ども医療費助成が負担する
- 子ども医療費助成には対象年齢がある
- 所得制限や転居などで条件が変わることがある
- 自立支援医療は、大人になってからも続けて使える制度がある
併用の扱いは自治体によって異なるため、窓口で確認してください。
自己負担の仕組み
自己負担には2つのルールがあります。
1.対象の医療費が原則1割負担になる
2.世帯の所得に応じて、ひと月の上限額がある
1割負担でも、所得に応じた月額上限が決められているため、高額な治療が続く場合の負担を抑えられます。
※ここでの「世帯」は住民票上の世帯ではなく、同じ公的医療保険に加入している家族を指します。
具体的な上限額などはこちらをご覧ください。
⏩ 厚生労働省|自立支援医療
「重度かつ継続」について
所得が高めの世帯でも、「重度かつ継続」に該当する場合は利用できることがあります。「重度」とありますが、症状の重さではなく、長期間にわたり治療が必要な状態を意味します。
てんかんや統合失調症、うつ病などの精神疾患のほか、更生医療・育成医療では一部の身体障害が対象になります。
対象になるかどうかは、主治医や窓口に確認してください。
受給者証が届くまで
申請から受給者証が届くまで、1〜2か月ほどかかることがあります(自治体差があります)。
原則として、申請前の医療費は対象になりません。
治療や通院の予定が決まったら、早めに申請しておきましょう。
また、受給者証が届くまでの扱いは自治体によって異なるため、申請時に確認してください。
申請の流れ
主治医に「自立支援医療を使いたい」と伝え、制度用の診断書・意見書を書いてもらいましょう。
原則1カ所ずつを使用することになります。
※放課後デイサービスなどで使う通所受給者証とは別になります。
持ち物は自治体によって異なりますが、診断書(意見書)、健康保険証、所得が分かる書類、マイナンバーなどが必要になることが多いです。
更新と注意点
- 自動更新ではないため、有効期限前に更新が必要
- 精神通院医療では、更新時の診断書を省略できる場合がある(自治体差があります)
- 受給者証や上限額管理票を忘れると、その日は通常負担になる
更新時期や必要書類は自治体によって異なるため、受給者証の有効期限を確認しておきましょう。
まずは相談してみましょう
使えるかどうかは、お子さんの治療内容によります。
まずは主治医に、
「自立支援医療の対象になりますか?」
「診断書を書いてもらえますか?」
と聞いてみましょう。
あわせて、市区町村の障害福祉窓口で必要書類や、子ども医療費助成との併用について確認しておくと安心です。



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