はじめに
児童発達支援(児発)や放課後等デイサービス(放デイ)を検討するとき、利用日数の次に気になるのが「時間」ではないでしょうか。
「放デイって、何時まで利用できるの?」
「児発は、みんな何時間くらい利用してるの?」
と、気になりますよね。
この記事では、公的な調査からわかる利用時間の実態と、事業所のタイプごとの違い、組み合わせ方を紹介します。
1回あたりの利用時間はどれくらい?
厚生労働省の「令和6年度障害児通所支援事業所実態調査」をもとに、利用時間ごとの割合をまとめると、次のようになります。

- 放デイ・児発とも、1〜3時間の利用が中心
- 一方で、3時間以上ゆったり利用しているお子さんも一定数います
- 児童発達支援センターでは、3時間以上の利用が約7割を占めています
また、重症心身障害児を主な対象とする児発では、3時間以上利用するケースが大半でした。
「児発は短時間」「放デイは長時間」と決まっているわけではなく、利用時間は事業所の役割や対象によって変わります。
放デイ:何時まで利用できる?
放デイは学校が終わってから利用するため、多くの事業所では放課後から夕方までの時間帯に活動します。
終了時間は事業所によってさまざまで、
- 17時前に終了する事業所
- 18時頃まで利用できる事業所
- 保護者の就労などに合わせて延長支援を行っている事業所
もあります。
そのため、「何時まで利用できるか」は見学で最初に確認したいポイントです。
なお、ここでいう利用時間は、事業所で支援を受ける時間です。
送迎時間は含まれないことが多く、帰宅時刻は送迎ルートによって変わります。
また、夏休みなどの長期休暇中は、学校がないため朝から開所する事業所が多くなります。
長期休暇中の利用時間も、事業所選びで確認しておきたいポイントです。
児発:短時間利用も長時間利用もあります
児発は、幼稚園・保育園に通いながら、週に何回か短時間利用するケースが多くあります。
一方で、
- 園に通っていない場合
- 児童発達支援センターなどに通園する場合
には、3時間以上利用するケースも少なくありません。
また、児発と放デイを両方行っている事業所では、午後は小学生の利用時間になるため、児発は午前〜昼の利用枠が中心になることがあります。
「午後に利用したかったのに午前しか空いていなかった」ということもあるため、希望する時間帯がある場合は早めに確認しておきましょう。
利用時間の違いと事業所のタイプ
同じ児発・放デイでも、事業所によって支援の目的が違います。
そのため、利用時間や過ごし方も変わります。
大きく分けると、次の3つのタイプがあります。
① 集団で過ごす事業所(一番多いタイプ)
10人前後の小さな集団で活動しながら過ごします。
設定遊びや創作活動、学習支援、自由遊びなどを通して、
- 友だちとの関わり
- 順番を待つ経験
- 集団生活の練習
を積み重ねていきます。
スタッフは保育士や児童指導員が中心です。
利用時間は比較的長めで、療育だけでなく放課後や日中の居場所としての役割も担っています。
② 個別療育が受けられる事業所
言語聴覚士(ST)や作業療法士(OT)などと1対1で療育を行います。
1回45分〜1時間程度と、短時間で集中して取り組むことが多くなります。
希望する方は多い一方で、専門職を配置している事業所は限られています。
さらに、専門職がいる事業所でも、毎日勤務しているとは限りません。
見学では、
- 専門職がいるか
- 何曜日にいるか
- 個別療育は毎回受けられるのか
まで確認すると、「思っていたのと違った」を防ぎやすくなります。
③ 児童発達支援センター(地域の中核施設)
自治体によって「療育センター」「療育園」などと呼ばれることもある、地域の中核的な施設です。
週に数日〜毎日、決まったクラスへ通うスタイルや、親子で一緒に通うクラスなど、①②とは通い方そのものが違うことが多くあります。
利用時間も比較的長く、厚生労働省の調査では約7割が3時間以上利用していました。
また、言語聴覚士などの専門職も比較的多く配置されています。
一方で、施設数は多くないため、
- 通える地域か
- 利用枠があるか
は自治体によって大きく異なります。
気になる場合は、市区町村の窓口や児童発達支援センター(療育センター)へ相談してみましょう。
実際は「集団+個別」の組み合わせが多い
ここまで3つのタイプを紹介しましたが、実際の事業所はきれいに分かれているわけではありません。
厚生労働省の調査では、集団活動の中に個別の支援も取り入れている事業所が最も多く、個別療育だけを行う事業所は少数でした。
「集団がいい」「個別がいい」と考えるより、その事業所では、1日の中でどのように過ごすのかを見学で確認することが大切です。
見学では、
「個別で関わる時間はありますか?」
と聞いてみると、その事業所の特徴が分かりやすくなります。
どう選ぶ?どう組み合わせる?
「療育を受ける時間」と「放課後・日中の居場所」は、1つの事業所だけで両方まかなえるとは限りません。
そこで役立つのが、「組み合わせる」という考え方です。
なお、支給量は日数で決まるため、利用時間が長いからといって多く消費するわけではありません。
「療育を受けたい」のか、「放課後や日中の居場所も必要」なのかを整理しましょう。
両方必要な家庭も少なくありません。
療育を中心に考えるなら、短時間を週1〜2回利用することが多くなります。
放課後や長期休暇の居場所も必要な場合は、長めの利用時間がある事業所も選択肢になります。
1つの事業所で希望がかなうこともあれば、療育を受ける事業所と放課後を過ごす事業所を分けて利用する家庭もあります。
実際に、複数の事業所を組み合わせて利用している家庭は珍しくありません。
利用日数の考え方は、こちらの記事でも紹介しています。

見学では、パンフレットだけでは分からない点を確認しましょう。
- 1日の流れ
- 何時まで利用できるか
- 個別療育の時間はあるか
- ST・OTなどの専門職は何曜日にいるか
このあたりを聞くと、その事業所がお子さんに合うかイメージしやすくなります。
最初から完璧に決める必要はありません。
始めてみると、「もう少し回数を増やしたい」「時間を短くしたい」と感じることもあります。
お子さんの様子を見ながら、事業所や相談支援専門員と相談して調整していきましょう。
知っておきたい注意点
専門職がいても、毎日いるとは限りません
「STがいます」と書かれていても、実際は週1回だけ勤務ということもあります。
見学では、
「何曜日にいらっしゃいますか?」
まで確認すると安心です。
個別療育はすぐに利用できないことがあります
希望する人が多く、順番待ちになっている地域もあります。
早めに問い合わせておくと安心です。
利用時間だけで選ばないことも大切です
長く預かってもらえることは安心ですが、
- お子さんが楽しく通えているか
- 支援内容がお子さんに合っているか
- 無理のない生活リズムになっているか
も同じくらい大切です。
利用時間と支援内容の両方を見ながら選びましょう。
地域によって事情は異なります
この記事で紹介した利用時間や事業所の特徴は、全国的な傾向です。
利用できる時間や専門職の配置、送迎の範囲などは自治体や事業所によって異なります。
実際の利用を考えるときは、お住まいの地域で確認してください。
今日できること
見学や問い合わせで、次のように聞いてみましょう。
事業所の見学では
- 「1日の流れを教えてください」
- 「何時まで利用できますか?」
- 「長期休暇中は何時から利用できますか?」
- 「個別で関わる時間はありますか?」
- 「STやOTなどの専門職は何曜日にいますか?」
市区町村の窓口・相談支援専門員へ
- 「個別療育を受けられる事業所はありますか?」
- 「療育と放課後の居場所、両方の目的で利用したいのですが、どう組み合わせるのがおすすめですか?」
利用時間も過ごし方も、事業所によって本当にさまざまです。
見学で実際の様子を確認しながら、お子さんとご家庭に合った利用のしかたを考えていきましょう。




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