はじめに
「児童発達支援(児発)」という言葉を聞いたことはありますか?
「通うことになったけど、実際どんなところなんだろう?」
「保育園と両立できるの?」
という疑問を持つ保護者の方はとても多いです。
児童発達支援には、発達が気になる段階の子から、知的障害や身体障害がある子、日常生活に介助や医療的ケアが必要な子まで、様々な子どもが通っています。
この記事では、児童発達支援の基本と、利用するときに確認しておきたいポイントを紹介します。
児童発達支援(児発)とはどんなところ?
児童発達支援は、障害や発達に支援が必要な未就学の子どもが利用する福祉サービスです。
保育士や児童指導員などが、一人ひとりの状態や発達に合わせて支援します。
支援する内容は、言葉やコミュニケーション、運動、遊びや人との関わりだけではありません。
食事・着替え・排泄など、日常生活に必要な動作を支援することもあります。
利用している子どもの状態も、
- 言葉やコミュニケーションの発達が気になる
- 集団で過ごすことが難しい
- 知的障害や身体障害がある
- 運動や日常生活の動作に支援が必要
- 医療的ケアが必要
と様々です。
診断名や障害者手帳がなければ利用できないというわけではありません。
自治体が児童発達支援の利用が必要と判断し、通所受給者証が交付されれば、発達の凸凹が気になる段階のお子さんでも通うことができます。
放課後等デイサービスとの違いは?
大きな違いは、対象となる子どもの年齢です。
| サービス | 主な対象 |
|---|---|
| 児童発達支援 | 小学校入学前の子ども |
| 放課後等デイサービス | 学校に通っている子ども |
どちらも、子どもの状態や発達に合わせて必要な支援を行う障害児通所支援です。
小学校へ入学すると、児童発達支援から放課後等デイサービスへ移行する子もいます。
保育園・幼稚園と併用できるの?
児童発達支援は、保育園や幼稚園、認定こども園などと併用することもできます。
例えば、
- 園に通いながら、週に何回か児発を利用する
- 園を早退して児発へ行く
- 園がお休みの日に児発を利用する
など、通い方は様々です。
一方で、児童発達支援を中心に通う子もいます。
「児発は週何回通うもの」と決まっているわけではありません。
子どもの状態や家庭の生活、園との組み合わせなどを考えながら利用日数を決めていきます。

利用にかかる費用は?
児童発達支援の利用者負担は、原則としてサービス費の1割です。
ただし、世帯の所得に応じて月額の負担上限が決められているため、利用回数が増えれば際限なく負担が増える仕組みではありません。
また、満3歳になって初めての4月1日から3年間、利用者負担が無償になります。
保育園や幼稚園などと児童発達支援を併用している場合も、それぞれ無償化の対象になります。
食費や教材費などの実費は、無償化の対象外です。
自治体によっては、無償化の対象外となる年齢でも独自の助成を行っている場合があります。
費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

利用するときに確認したい6つのポイント
① 利用できる時間を確認する
児童発達支援の利用時間は、事業所によってかなり違います。
1〜2時間程度の短時間のところもあれば、昼食をはさんで数時間過ごすところもあります。
また、同じ事業所でも曜日や利用するクラスによって時間が違う場合があります。
保育園のように朝から夕方まで過ごす事業所は少ないのが現状です。
「何時から何時まで利用できるか」を必ず事前に確認しましょう。
② 小学生との人数バランスを確認する
児童発達支援と放課後等デイサービスの両方を受け入れている施設(多機能型)がとても多いです。
このような事業所では、学校が終わる時間になると放課後等デイサービスを利用する小学生が増えることがあります。
時間帯を分けている施設も多いので、預かり時間と併せて「うちの子が通う時間帯に未就学児と小学生はそれぞれ何人くらいいますか?」と聞いてみましょう。
③ 子どもに必要な支援に対応できるか
児童発達支援は、事業所によって支援の内容や得意とする分野が違います。
個別での支援、集団での活動を中心とするところのほか、PT(理学療法士)・OT(作業療法士)・ST(言語聴覚士)などの専門職がいる事業所もあります。
また、食事や排泄、移動など、日常生活で必要な支援への対応も事業所によって異なります。
「どんな療育をしているか」だけでなく、「今の子どもに必要な支援に対応してもらえるか」を確認してみましょう。
④ 医療的ケア・バリアフリーへの対応
医療的ケアが必要な子や、移動・日常生活に介助が必要な子の場合は、設備や職員体制も重要です。
以下のことも確認してみましょう。
・必要な医療的ケアに対応できるか
・看護師がいるか、いる場合は曜日や時間が決まっているか
・段差がないか、車いすで利用できるか
・トイレやおむつ交換のスペースがあるか
・食事や排泄など、必要な介助に対応できるか
「医療的ケア対応」「重症心身障害児対応」と書かれていても、実際に対応できる内容は事業所によって異なります。
事業所によっては看護師のいる曜日のみ利用可能と案内されることもあります。
子どもに必要なケアや介助を具体的に伝えて確認しましょう。
⑤ 親子で通う?子どもだけで通う?
児童発達支援には、親子で一緒に参加するところと、子どもだけで利用するところがあります。
また、曜日やプログラムによって親子参加と単独利用を使い分けている場合もあります。
仕事やきょうだいの予定、送迎などにも関わるため、保護者の付き添いが必要か、子どもだけで利用できるかを確認しておきましょう。
⑥ 送迎は利用できる?
送迎の有無も事業所によって違います。
送迎がある場合も、
- 自宅まで来てもらえるか
- 保育園や幼稚園への送迎ができるか
- 対応する地域
- 曜日や時間
- 車いすのまま乗れる車両があるか
など、対応範囲はさまざまです。
継続して通うことを考えると、「通える距離にある」だけでなく、「送迎がどこまで対応してもらえるか」を見学時に必ず聞いておきましょう。
事業所の探し方のステップ
市区町村の障害福祉の窓口や保健センター、児童発達支援センター(療育センター)などに、
「児童発達支援を利用したい(検討している)」
と相談します。
まだ診断がついていない場合も、まず相談してみてください。
自治体から事業所の一覧をもらったり、相談支援専門員を紹介してもらい、お子さんに合いそうな施設を一緒に絞り込んでもらいましょう。
空き状況や受け入れ条件も事業所によって異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみましょう。
良さそうな場所を見つけたら必ずお子さんと一緒に見学に行きましょう。
見学時には以下も合わせて確認してみてください。
- スタッフの人数と子どもへの接し方・施設全体の雰囲気
- 利用している子どもの年齢層(小学生中心か・高校生まで幅広いか)
- 職員の配置
- どのように一日を過ごすのか
- 年間の行事・イベントの内容と頻度
- 子どもに必要な支援に対応できるか
パンフレットやホームページだけでは分からないこともあるため、実際に利用する時間帯の様子を聞いておくと選びやすくなります。
利用には通所受給者証の申請なども必要です。
相談から利用開始まで1〜2か月以上かかることもあるため、利用を考え始めたら早めに相談しておきましょう。
児童発達支援は、事業所によって利用時間も支援内容も大きく異なります。
子どもに必要な支援と、家庭に無理なく続けられる通い方の両方を考えながら、実際に見学して比較してみましょう。
まずは地域の相談窓口に気軽に相談してみてください。




📋 この記事の情報について
この記事は厚生労働省・こども家庭庁・各自治体などの一次情報をもとに作成しています。
制度の内容は変更される場合があります。最新情報・詳細はお住まいの自治体窓口等でご確認ください。
あなたが使える制度を調べてみませんか
年齢と手帳の種類を選ぶだけで使える可能性のある制度・手当・サービスの一覧を確認できます。
手帳がなくても使える制度も表示されます。
登録不要・無料です。

コメント